車の乗り物酔いは、臨床の現場でも乗り物酔いと呼ばれているが、その原因は、感覚対立説、神経ミスマッチ説、前庭器官の過敏性説、耳石器無重量仮説など複雑で、まだ完全には解明されていない。 1.葛藤説:主に前庭感覚、視覚感覚、固有感覚からの情報が脳内で葛藤し、それが一種の症状を引き起こすと考えられている。 しかし、この説では同じ運動環境下で乗り物酔いしやすい人がいる理由を説明できない。 2.神経学的ミスマッチ説:クリーンコンフリクト説をもとに提唱されたもので、入力される視覚、前庭、固有受容の情報と脳に蓄積された情報との間にミスマッチがあり、乗り物酔いが出現するというもの。 3.前庭器官感度説:前庭末梢受容器は主に三半規管と風船嚢と楕円嚢から構成され、人体が地面を歩いたり走ったりする場合、これらの運動によって発生する加速度は人体の生理的閾値の範囲内であるが、サイクリングや飛行機、船舶などの急激な運動環境では、人体の生理的閾値を超えるため、乗り物酔いを引き起こす。 4.無重力の仮説:耳石の非対称性も乗り物酔いの原因になる。通常の環境では、ヒトは両側の耳石受容体の非対称性に適応しているので、異常な前庭反応は生じない。 しかし、無重力状態では耳石が刺激され、両側の耳石受容体が非対称な情報を脳に伝達し、乗り物酔いを引き起こす。 また、過度の疲労や不適切な食事、高温多湿で換気が悪い状態では、患者は乗り物酔いを起こしやすくなる。