目的:難易度の高い腹腔鏡下婦人科手術における膀胱鏡検査と逆行性尿管カニュレーションの臨床応用を検討する. 方法:2004年7月から2007年9月に当院で婦人科腹腔鏡下手術を受けた患者のうち,術前に手技が困難と推定された19例に対して,腹腔鏡下手術前に膀胱鏡の代わりに子宮鏡による逆行性尿管挿管を実施した. 腹腔鏡下手術が困難な9例では.術後膀胱鏡の代わりに子宮鏡を用い.インドシアニンを静脈内注射して両側尿管開口部の尿噴出量を観察した。 結果:術前に逆行性尿管挿管を行った19例では,術中尿管損傷などの合併症なく,すべての手術が腹腔鏡下で無事に終了し,術後に尿管カテーテルが抜去された. 術中に難渋した9例では.術後の膀胱鏡検査で1例は左尿管口が消失し.腹腔鏡検査で尿管は縫合で結紮されていることが判明した。 28名全員に術中・術後合併症はなかった。 結論:婦人科領域の難易度の高い腹腔鏡手術において,膀胱鏡検査と逆行性尿管挿管は尿管損傷の発生を回避・軽減するために必要であり,実施可能な病棟では推進する価値がある.