嗅神経は頭部外傷や占拠性腫瘍で損傷しやすく、一度損傷すると短期間で回復しなければ元に戻ることは難しい。 頭部外傷患者では3%から10%の確率で嗅神経が損傷され、頭部に直接暴力を受けた患者の多くは嗅覚に異常をきたす傾向があり、嗅神経がふるい板を横切る部位で受傷の力により剥離し、しばしば副鼻腔の骨折を伴う。 後頭部損傷で対側前頭葉底部に打撲を受けた患者の約3分の1は、嗅覚低下または嗅覚喪失を起こす。 嗅覚神経の異常は、腫瘍が嗅覚神経を圧迫または浸潤した場合にも起こりうる。 嗅神経はもろいため、損傷から2~3ヵ月以内に嗅覚が完全に回復しなければ、将来的に正常に戻ることは難しい。 嗅覚が回復する前に、焦げた羽毛の臭いがするなどの嗅覚の異常がみられることもある。