腸チフス論』の痰湿解毒処方には、病因別に苓桂朮甘湯と陳五湯がある。
1.苓桂朮甘湯:茯苓、桂枝、黄芩、カンゾウを主薬とし、陽気を温めて痰飲を解消し(体内の陽気を温めて水液の代謝を促進する)、脾を強めて利尿を促す作用があり、臨床的には、胸脇部の膨満感、眩暈、動悸、気短、咳嗽などの症状がみられる中心陽虚の痰飲(水液の代謝障害によって形成される病的産物)の治療に用いることができる。
2.振五湯:茯苓、Atractylodes macrocephala、Paeonia lactiflora、生姜、Radix et Rhizoma Polygoni Multifloriを主成分とし、陽を温めて水に利する作用がある(身体の陽気を補い、水液の循環を促進する)。
臨床的には、寒さへの恐怖、排尿困難、心臓の下の動悸や落ち着きのなさ、めまい、手足の重苦しさ、腰から下の浮腫、腹痛、下痢、咳や嘔吐などの症状を伴う陽虚水滞(陽気の不足により体内の水や液体の循環が滞る)の治療に用いる。
上記の処方の副作用と禁忌はまだはっきりせず、漢方医の診断のもとで使用する必要がある。