駆出率とは心室拡張末期容積に占める1拍出量の割合のことで、正常値は50~70%である。 駆出率が40%になると心不全を示すことが多く、心不全などで最もよくみられる。 積極的な治療により駆出率が回復する患者もいるが、末期心不全による駆出率の低下は通常回復しない。
駆出率は心筋の収縮力に関係し、心筋の収縮力が強いほど1回の拍出量は大きくなり、駆出率は高くなる。 心不全患者では心筋収縮力が低下し、駆出率は程度の差こそあれ低下する。
一部の心不全患者では、メトプロロールなどのβ遮断薬、サクビトリル・バルサルタンなどのアンジオテンシン受容体/エンケファリナーゼ阻害薬、スピロノラクトンなどのアルドステロン受容体拮抗薬による治療後、駆出率は徐々に正常に戻る。 一部の患者では、心臓再同期療法後に駆出率が正常に戻ることもある。 しかし、原疾患がコントロールできない心不全患者や有効な治療法がない心不全患者の中には、駆出率が正常に戻らず、病気の進行を遅らせるだけの場合もある。
駆出率が40%というのは心不全の徴候であり、積極的な治療によって駆出率が正常値に戻る人もいるが、末期心不全患者では駆出率が正常値に戻ることはない。 もし検査で駆出率が低いことがわかったら、病状を長引かせないためにも、治療を受ける必要がある。